「正しい座り方」を調べて姿勢を直しているのに、夕方には腰が重い——そんな方は少なくありません。よく「座り方より“座り続ける時間”が問題」と言われますが、整形外科で8年、私が現場で見てきた“正体”はもう一歩奥にありました。[[腰痛なのに、主犯は腰ではない]]——腰が、動きの足りない場所の代わりに働きすぎている、というものです。今日はその見立てと、30分に1回できる工夫を整理します。
「正しい姿勢」だけでは足りない理由
どんなに良い姿勢でも、同じ姿勢を長く続けること自体が、体の一部に負担を集めます。じっと固定された状態が続くと、筋肉や関節まわりの組織が動かず、こわばっていきます。
つまり、「正しい座り方」を探すことと同じくらい、「同じ姿勢を続けない」ことが大切なのです。
“座りっぱなし”の奥にあるもの
長時間座っていると、股関節の前側の筋肉が縮んだまま固まりやすくなります。すると立ち上がる・歩くときに、動きにくい股関節の代わりに腰が余分に働いて補うことがあります。
現場で数多くの腰痛と向き合って感じるのは、腰の重さは“腰が弱いから”ではなく、“腰が働きすぎているサイン”のことが多い、ということです。だから腰だけをほぐしても、また戻る。原因は、うまく動けていない別の場所にあることが少なくありません。

腰が「主犯」とは限らない
痛む場所(腰)と、原因の場所(股関節など)が違う——これはデスクワーク腰痛でよくあるパターンです。座りっぱなしで固まりやすいのは、腰そのものより股関節まわり。ここの動きが戻ると、立つ・歩くの中で腰の負担が減っていく方が多くいらっしゃいます。
| どう考えるか | すること | 起きやすいこと |
|---|---|---|
| 腰が“主犯”だと考える | 座り方を正す・腰をほぐす | その場は楽でも、また戻りやすい |
| 腰は“働きすぎ”だと考える | 股関節などの動きを評価して整える | 腰の仕事を減らし、戻りにくさを狙える |
30分に1回、できる小さなこと
まずは今日からできることを。以下は“原因の解決”ではなく、座り続けを切るための応急のコツです。それでも続く重さは、あとで原因を見立てましょう。
- 01
立ち上がって数歩あるく
トイレや飲み物のついででも十分。“座り続けを切る”ことが目的です。
- 02
骨盤を軽く前後に動かす
椅子に座ったまま、骨盤をゆっくり起こす・倒すを数回。腰まわりの固定をほどきます。
- 03
深呼吸で肋骨を広げる
背中を丸めっぱなしにしないよう、大きく息を吸って胸まわりを動かします。
スタンディングデスクにすれば解決しますか?
立ちっぱなしも、別の負担になり得ます。大切なのは道具そのものより、同じ姿勢を続けないこと。立つ・座るをこまめに切り替えるのが現実的です。
おわりに
デスクワークの腰痛は、「座り方の正解探し」だけでは解決しにくいことがあります。まずは“動く回数”を増やすこと。それでも続く重さは、REGALOの初回で姿勢・動作の評価(約15分)と徒手検査(約15分)から、“どこが働きすぎているか”を一緒に見立てていきましょう。
Author

玉井 亮介
REGALO コンディショニングラボ 代表/柔道整復師・NSCA-CPT
整形外科クリニックで8年間の臨床を経て、越谷でREGALOを開業。検査・評価から始める整体×運動療法で、痛みの原因からのアプローチを行っています。
読んでくださって、ありがとうございます。
からだのことは、どうぞ直接ご相談ください。


